レミゼ世界精鋭メンバーが来日!本場さながら全編英語(日本語字幕)で公演
ミュージカル『レ・ミゼラブル』ワールドツアースペクタキュラー:ミュージカルの金字塔『レ・ミゼラブル』特別ヴァージョン世界ツアーが、日本初上陸。本公演は、ウエストエンドで大成功を収めた公演の演出とスケールを更にグレードアップさせ、特別なセット・デザインを新たに採用。総勢65名以上のキャストとオーケストラによる特別ヴァージョンである。世界的に高い評価を受けるキャスト陣圧の巻のパフォーマンスに、重厚にして壮麗なオーケストラによる生演奏。ミュージカル版と同様の豪華な衣裳に身を包んだキャスト陣が、すべての名曲と名シーンに新たに熱い命を吹き込む。
19世紀フランス。一本のパンを盗んだ罪で投獄されたジャン・バルジャンは、出所後、市長として成功を収めたが、元囚人としての過去を知る警官ジャベールに執拗に追われ続けていた。そんな中、バルジャンは死にゆく女性ファンテーヌから幼い娘コゼットを託され、大切に育てる。成長したコゼットは学生マリウスと恋に落ちるが、彼は革命の戦いに身を投じていた。バルジャンはコゼットとマリウスの幸せを守るため、そしてジャベールとの因縁に決着をつけるため、自らの命を顧みず戦場に向かう。
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ミュージカルの金字塔『レ・ミゼラブル ワールドツアースペクタキュラー』大阪公演が上演された。冒頭、オーケストラの爆音に身が跳ね上がるような衝撃を受け、プロローグの重厚な響きが会場を支配する。負に満ちた労働者たちの悲痛な叫びが舞台を覆い、バルジャンとジャベールの相反する思いに、力強いアンサンブルが呼応して観客を物語へ引き込んでいった。
ジャベールを演じたジェレミー・セコムの威厳は圧倒的で、舞台上でひときわ異彩を放つ。服役を終えたばかりのバルジャン役ヘロニモ・ラウフの瞳には、自由に対する切実な光が宿り、その輝きが物語の核心を映し出していた。
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ファンテーヌ役のチャナ・ヒューイットによる『夢やぶれて』は、ズタズタにされた心情が歌声から溢れ出す。歴史ある作品では、歴代の俳優たちの歌唱に寄りがちな傾向がある。しかしチャナは質を損なうことなく、独自の解釈で自らの表現を貫いた点が魅力的だった。スクリーン映像が彼女の表情を鮮明に映し出し、観客をさらに舞台の奥深くへ誘った。
続いて『フー・アム・アイ』のラストで放たれたバルジャンの「24601!!」が、力強くホール全体に響き渡る。さらに『ルック・ダウン』の場面では舞台に橋が架けられ、物乞いたちの歌声とともに壮大な光景が広がる。『星よ』でのジャベールの歌唱は迫力そのもので、彼の信念を強烈に刻みつけた。照明も効果的に用いられ、『民衆の歌』では観客の胸を揺さぶる熱気が充満した。
一幕クライマックスを飾る『ワン・デイ・モア』では、それぞれの想いが一つに結集し、会場を包み込む。赤く翻る旗が舞台に掲げられた瞬間、圧巻のラストを迎えた。
二幕では、ナタニア・オング演じるエポニーヌの『オン・マイ・オウン』が胸を打つ。彼女の瞳に映るマリウスとの想いが、観客の目にも鮮やかに浮かび上がった。続く銃撃戦のシーンでは銃声が体の芯まで響き、戦場の臨場感を極限まで高めた。
さらに、ジャベールの『自殺』では、秘められていた感情が圧倒的な声量で爆発し、内面の葛藤が鮮烈に描かれた。フィナーレでは、ルル=メイ・ピアーズのコゼットとバルジャンの親子のやりとりが切なくも温かく、物語に没入するうちに「まだまだ見ていたい」と思わせながらも、結末へと導かれていった。
カーテンコール、満員の観客が総立ちとなり、拍手と歓声が鳴り止まない。スタンディングオベーションに包まれた舞台は、大阪に深い感動を刻み込んで幕を閉じた。
本公演は、名作『レ・ミゼラブル』が時代を超えて人々を魅了し続ける理由を改めて証明していた。演者の声量と表現力、オーケストラの迫力、舞台美術と照明の融合。そのすべてが相乗効果を生み、観客を物語の深淵へと導いたのである。英語上演でありながら、字幕の助けを借りることで言葉の壁は感じられず、むしろ本家を日本で見ているようで感激が増す。心を揺さぶる名曲の数々と、キャスト一人ひとりの情熱が大阪を熱く染め上げ、観劇後もしばらく胸の高鳴りが収まらなかった。
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