大阪・関西万博シリーズ第一弾。現地での取材と案内から読み解く、各パビリオンの新たな見どころとは
大阪・関西万博:2025年4月13日から10月13日までの半年間、大阪・夢洲にて開催され、”いのち輝く未来社会のデザイン”をテーマに史上最多の160以上の国と地域、企業や国際機関が参加するかつてない規模の国際イベント。最先端テクノロジーの展示に加え、文化・芸術・食などを通して各国の魅力を存分に堪能できる多彩なパビリオンが注目を集めている。さらに、会場全体を舞台に多様なエンターテインメント繰り広げられており、連日話題をよんでいる。
BroadwayWorldでは、イベントや各パビリオンの個性や魅力をシリーズで紹介していく。本特集の第一弾では、スペイン、ポルトガル、スイス、モナコの4カ国にフォーカス。実際に各パビリオンを訪れ、館長や代表スタッフといった関係者から直接話を聞き、案内を受けたからこそわかった“リアルな見どころ”を厳選してお届けする。現地の文化や美食を体感できる、各国自慢の空間をどうぞお楽しみに。
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- 異国の味を試してみたい人に勧めたい【スペイン館】
- 海の”深さ”と美しさに心を委ねたい人に勧めたい【ポルトガル館】
- 家族で楽しみたい人に勧めたい【スイス館】
- 優雅な時間を過ごしたい人に勧めたい【モナコ館】
- 総括
- 第二弾
「本場の味に挑戦したいけれど、一人前は不安……」そんな人にぴったりなのが、スペイン館のレストランが提供する『スペイン17自治州・2自治都市のピンチョス、タパスが食べられるコース』。スペイン全土を代表する17の自治州と2つの自治都市から選ばれた料理19品を、少量ずつ一気に味わえる贅沢なコースだ。どの品も素材にこだわっており、肉厚のアンチョビをはじめ、濃厚なチーズ…19品余すことなくどれも絶品。スペイン料理にそれほど馴染みはなかったが、これならもう一度食べに来たい、そう思えた。「私はこれが好き」「僕はこっちが好き」と、食事中の会話も弾むはず。
展示エリアも充実。リゾート地の夕焼けの様なオレンジが印象的な空間など、写真映えするスポットが点在していて若年層も楽しめる構成となっている。食を通じてスペインを旅し、視覚でも五感を刺激される、全身で楽しめるパビリオンである。
建築好きにも注目してほしいのが、世界的建築家・隈研吾が手がけたポルトガル館。海をテーマにしたパビリオンの外観には、波の動きをイメージしたロープが印象的に使われている。
館内に一歩足を踏み入れると、まるで海に包まれていくような没入型の展示が広がり、人間の営みと海の関係性を見つめ直す時間が訪れる。海からの強烈なメッセージと静謐な空気に満ちた空間は、観る者の心に深く残るだろう。
レストランでは、デザートに注目したい。連日売り切れが続く人気のエッグタルトはもちろん、トロトロの食感がたまらない「パオンデロー(半熟カステラ)」は一度は味わいたい逸品だ。テイクアウトメニューの充実度も高く、効率良く回りたい人にもってこい。
「家族みんなで楽しめる万博体験」を求めているなら、スイス館が最適だ。入口でまず目に入るのは、精巧な切り絵。スイスを象徴する絵やの中に、ハイジとその仲間たちも隠れている。キャラクターを探すのもよし、緻密な芸術作品を写真に収めるのもよし。
隣のスペースでは、虹色に煌めく大きなシャボン玉目に飛び込んでくる。願い事口にすると、それがシャボン玉となり舞い上がる仕掛けで、子どもたちの好奇心を刺激する工夫が満載である。
一方で、食とロボティクスの融合など最先端テクノロジーも随所に見られ、大人も飽きることなく楽しめる。家族全員が笑顔になれるパビリオンだ。
喧騒を離れ、万博の夜景を眺めながらゆったりとした時間を過ごしたい人には、モナコ館が好適だ。屋上にはバラをモチーフにした落ち着いた空間のワインバーがあり、上質なひとときを演出してくれる。
1階の中庭には樹齢500年のオリーブの木や、サボテンなどが配置され、自然との共生を感じさせる演出も魅力だ。
なかでも個人的に推したいのは、海底をモチーフにした展示空間。高さ20メートルの内壁に描かれた180種類の海の生き物たちが、照明の色に応じて姿を現す。そこに漂う特製の“海の香り”が、まるで本当に深海を漂っているかのような幻想的な世界へと導いてくれる。五感で癒される、まさに“大人のための癒やしの空間”である。
世界中からパビリオンが集結する大阪・関西万博の中でも、今回紹介したスペイン、スイス、ポルトガル、モナコの4カ国は、それぞれの文化や思想、美食や建築美に至るまで、五感で体感できる空間として強い個性を放っていた。国を象徴する世界観の中に身を置き、その魅力をじかに味わうことで、ただの展示ではない“体験”として記憶に残るのが各パビリオンの魅力である。
館長やパビリオンのキーパーソンからの案内を通じて見えてきたのは、どの国も万博を単なる「自国PRの場」としてではなく、未来社会への提案や国際的な対話の場として捉えているということ。訪れた人々の心に残る演出やメッセージには、それぞれの国がこの万博にかける思いがにじんでいた。
今回の特集はシリーズの第一弾にすぎない。万博会場には、まだ紹介しきれていない魅力的なパビリオンが数多く存在している。次回は、取材の中で出会った新たな感動や、予想を超える体験をお届けできるよう、引き続き各国を巡り、その魅力を探っていく予定だ。
“世界を旅するように楽しめる万博”の魅力を伝える本シリーズ、どうぞ今後の展開にもご期待いただきたい。
Photo Credit :[ExpoSpain2025 / FDFA, Presence Switzerland / Alexandre Rainier / Ayaka Ozaki]
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