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レポート:「パイレーツ・オブ・カリビアン」「ライオン・キング」「007」 — 映画音楽の神、ハンス・ジマー初来日 ”​​​​​​​Hans Zimmer Live in Japan'

フルオーケストラと世界中の名手が一堂に会した、唯一無二の音楽空間

By: Jun. 02, 2025
レポート:「パイレーツ・オブ・カリビアン」「ライオン・キング」「007」 — 映画音楽の神、ハンス・ジマー初来日 ”​​​​​​​Hans Zimmer Live in Japan'  Image
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Hans Zimmer Live in Japan:数々の受賞歴を誇る映画音楽の偉大作曲家ハンス・ジマーの大ヒットツアー『Hans Zimmer Live』がついに初来日。5月20日に横浜・ぴあアリーナMM、5月24日に名古屋・IGアリーナで開催され、大きな反響を呼んだ。卓越した19名のバンドとフルオーケストラを引っ提げ、彼のキャリアにおいて映画界で燦然と輝く数々の名曲を巡る旅 ーー。新たに考案されたセットリストには、「グラディエーター」、「パイレーツ・オブ・カリビアン」、「ダークナイト」、「インターステラー」、「ライオン・キング」、「ラスト サムライ」、「007」そして彼が2度目のアカデミー賞を受賞した『DUNE/デューン 砂の惑星』の楽曲が含まれた。こちらでは名古屋公演の壮大なハンスの世界に浸れる、唯一無二の音楽体験をレポートする。



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レポート:「パイレーツ・オブ・カリビアン」「ライオン・キング」「007」 — 映画音楽の神、ハンス・ジマー初来日 ”​​​​​​​Hans Zimmer Live in Japan'  Image

照明が落ち静寂が会場を支配する中、荘厳な女性コーラスが響き渡り、『DUNE/デューン 砂の惑星』のメインテーマで幕が開けた。民族的でありながら近未来的な音像が重層的に重なり、瞬時に観客を異世界へと引き込んだ。堂々たるドラムとギターが鳴り響くと、ステージの先端にハンス・ジマー率いる精鋭バンドがとフルオーケストラが登場。その圧巻の編成が放つ音の厚みと緻密さは、観る者の情景を脳裏に描かせる。

序盤では「インセプション」の『Mombasa』や「ワンダーウーマン」、「マン・オブ・スティール」をはじめ、近年のヒーロー映画を彩った楽曲が連続して披露された。鋭いリズムと重低音が印象的な「Mombasa」ではシンバルが炸裂し、エネルギーに満ちたアンサンブルが観客の興奮を高める。特にバイオリン奏者のスピーディーさとエレキギターの荒々しい音色の掛け合いが、楽曲のスリリングな展開をさらに際立たせた。

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続いては、ローマ帝国を舞台にした剣闘士の物語「グラディエーター」のスコアが登場。曲調に合わせた激しいバイオリン使いからは、戦闘シーンを彷彿させる。一転し、神秘的な旋律に乗せてボーカルが響くと、場内に張り詰めた静けさが広がる。音楽が語るドラマの力――それを全身で体感する瞬間であった。

前半のラストは誰もが待ち構えていた「パイレーツ・オブ・カリビアン」メドレー。日本人チェロリストのMarikoが長髪を靡かせ、仰け反りながら全身で奏でる圧巻の姿は、ハンス・ジマーライブの醍醐味の一つ。巧みな照明演出と相まった会場は、もうカリブ海。映画で幾度となく目にした名場面が、まざまざと蘇る。

ハンスは、曲間に時折マイクを手に取り、冗談を交えながら観客と心地よい距離感で交流した。名古屋公演ならではの和やかな空気が生まれ、客席との一体感が徐々に高まっていく。彼は「音楽は言語を超えてつながれる」と語り、世界各地から集まったミュージシャンたちを紹介。その言葉通り、国籍も文化も異なるアーティストたちが、音楽という共通言語で完璧に融合していた。

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後半に差し掛かり会場の空気を一変させたのは、緊張感みなぎる「ダークナイト」であった。ハンスがアリーナを練り歩きながら演奏を始めると、観客のボルテージも一気に高まっていく。続けて、日本文化への敬意を込めた「ラスト サムライ」や、「X-MEN:ダーク・フェニックス」のシリアスな旋律が静かに胸を打つ。中でも「インターステラー」の楽曲群では、エアリアルアーティストのパフォーマンスが加わり、一層の没入感が会場を包み込んだ。

また、ハンスが1994年にアカデミー賞を受賞した名作「ライオン・キング」では、アフリカンパーカッションとコーラスが生み出す生命力に満ちたサウンドが会場を包み込む。彼のライブの魅力の一つとして、オリジナルのシンガー達もツアーに参加している点が挙げられる。『サークル・オブ・ライフ』もその一つだ。誰もが聞いたことのあるあの名曲を、実の作曲家の演奏に合わせオーケストラをバックに、本人が歌う生歌。まさに贅沢の極みと言える瞬間であり、圧倒的なステージ展開に鳥肌が止まらなかった。

続く『007』シリーズのテーマでは、重厚かつスタイリッシュな演出が光った。

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ラストを飾ったのは、ハンスの代表作のひとつであり、ファンにとって特別な一曲『Time』――傑作「インセプション」のエンディングを彩ったこの楽曲は、静かに始まり、徐々に感情の高まりを見せながら壮麗に展開。繊細かつ力強いピアノの旋律に重なるように、オーケストラとバンドが一体となり、雄大なクライマックスを築き上げた。

音が消えた後も、長く続いたスタンディングオベーション。それは、観客一人ひとりがこの日体験した圧倒的な芸術に対する、最大級の敬意の証であった。そしてトークからも垣間見れたハンスの”仲間を思う温かな人柄”もまた、彼の作品と同様に、観る者の心を打つ大きな魅力であった。

Photo Credit :[成瀬正規 / Suzanne Teresa] 


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