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1837年にパリのレ・アンヴァリッドで初演されたHector BerliozのRequiem(「Grande messe des morts」)は、壮大な規模の音楽とスペクタクルです。もともと450人の演奏者のために書かれたこの作品は、このプロムスの舞台でおよそ400人のミュージシャンと歌手がロイヤル・アルバート・ホールのステージおよびクワイア・ストールのセクションに集まり、この壮大な作品を披露しました。この総数には約250人の歌手、4つのブラス・アンサンブル、20台のティンパニ、そしてフル・オーケストラが含まれ、さらにテノールのソリストJulien Henricが第九曲に参加しました。これほどの大任を任せるなら、ロンドン交響楽団とその首席指揮者アントニオ・パッパーノに勝る者はいません。
他のどのコンサートホールでも窮屈に感じられるリスクがありましたが、ロイヤル・アルバート・ホールでは自然に見えました。常連のプロムス来場者にとって唯一やや異様に見えたのは、2つの合唱団の隣のクワイア・ストールに座る小規模なアンサンブルでした。
予想通り、これほどの卓越したミュージシャンの集まりが生み出す音は圧巻で、ティンパニの轟音はまるで地獄の咆哮のようでした。極端さに満ちたこの作品では、静かな部分が通常よりも一層大きく物語ることもでき、ミュージシャンたちがそれを精密に表現する様に聴衆は息をのんで圧倒されました。
パッパーノの素手による指揮に見入らずにはいられませんでした。彼は筋肉の微妙な動きすら使い、ミュージシャンから最高の演奏を引き出すことを追求していました。彼のオーケストラと2つの合唱団(BBC Symphony ChorusとLondon Symphony Chorus)を導く表現力は作品の本質的な演劇性を更に強調し、テンポを保つだけでなく、小さな技巧的な動きでアンサンブルをより良く導いていました。
「Grande messe des morts」を書いた際、Berliozは革命期とナポレオン時代に作られた作品の伝統と規模を踏襲しつつ、シェイクスピアやゲーテ等に触発され、またカトリックのレクイエムを審判の日と終末についての自身の語りに合わせて再構成しました。5度目の熱波のさなか、様々な紛争が周囲に渦巻く中でこの作品を聴き、目にする体験は深遠で、世紀を超えてBerliozが我々の時代に語りかけていることを実感しました。
静かな無伴奏のQuaerens Meと次第に楽器が増えていくLacrimosaとの対比は鮮明で、Berliozが極端で遊んだ様をよく表しています。第九曲のSanctusでのハイライトはテノールが既に揃った演奏者の中に加わった時で、Henricは中央前に出るのではなく、パイプオルガンの前、男性合唱と女性合唱の間に位置し、橋渡し役を果たすかのようでした。また、弦楽器奏者が弓を様々に使い分けたり、打楽器奏者がシンバルを微妙に擦り合わせて軽やかな効果を生み出すなど、演奏者の革新的な技も目の当たりにできました。
約90分間、この作品と一体となって過ごすことはプロムスの素晴らしさのひとつです。世界クラスのミュージシャンと指揮者が約5,000人の聴衆を前に一体となり、始まりから終わりまで魅了する——そしてこの規模の作品に理想的な視界と音響を備えた空間で。まさに今年のプロムスのスケジュールの中心に位置する真のイベントでした。
BBC Promsは9月12日までロイヤル・アルバート・ホールで開催中です
写真提供:Chris Christodoulou