ブロードウェイスターたち、京本大我が紡ぐ、記憶に残るディズニーミュージカルの真髄
ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ:ディズニーミュージカルの名曲を本場ブロードウェイスター達の歌声と共に堪能できる大人気公演。2年前に全公演完売となった前回(参考 「公演レポート: ディズニー·ブロードウェイ·ヒッツ FEAT. アラン·メンケン(2023)」)に続き、ディズニー音楽の巨匠 アラン・メンケン(参考 「独占インタビュー: 'ディズニー·レジェンド'アラン·メンケン」)も出演。本公演は2幕構成となり、第1幕は『美女と野獣』『アラジン』『リトル・マーメイド』などの、誰もが知る名作の有名曲を生み出したディズニー音楽の巨匠アラン・メンケンのピアノソロパフォーマンスによるステージ。第2幕では本場のブロードウェイキャストと日本人ゲストである京本大我(SixTONES)、オーケストラが織りなす感動のステージを披露する。
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客席の高鳴りとともに、“ディズニー・レジェンド” アラン・メンケンが登場した瞬間、場内には喜びと敬意が混ざり合った熱気が満ちた。「So good to see you all!(皆さんにお会いできて嬉しいです!)」と笑顔で語りかけると、鍵盤の上で指が踊り始め、『アリ王子のお通り』が高らかに響く。ディズニーファンなら誰もが心を弾ませるあのイントロが、華やかな幕開けを告げた。
第一幕は、アラン自身の演奏と語りで綴られる珠玉のひととき。スポットライトに照らされながら、彼は言葉を選ぶようにゆっくりと語り始めた。「彼は病院のベッドの上で歌詞を書いたんです。映画の完成を見ることは叶わなかったけれど……短かったけど、素晴らしい時間だった。」そう語る声に、彼の長年のパートナー、ハワード・アッシュマンへの深い敬愛が滲む。
続いて披露されたのは『リトル・マーメイド』の名曲たち。「最初に頭に浮かんだのは、水の流れでした」と前置きしてからの『パート・オブ・ユア・ワールド』、『キス・ザ・ガール』、『哀れな人々』、そして「人生を変えた曲」と語る『アンダー・ザ・シー』へ。観客の手拍子と笑顔が溢れる中、アランは満面の笑みで投げキッスを送り、その喜びを分かち合った。

『ノートルダムの鐘』の『僕の願い』では、心に沁みる旋律に乗せて、「この作品が日本で舞台化される日が近づいています」と語られ、客席からは大きな拍手と歓声が起こった。続く『塔の上のラプンツェル』の『自由への扉』では、アランの穏やかな歌声に、この楽曲への深い想いがにじむ。舞台化に向けた計画も共有され、観客の期待が一層高まった。
そして第一幕のクライマックス。まさかのサプライズとして選ばれたのは、東京ディズニーシーの名アトラクション『シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ』のテーマ『コンパス・オブ・ユア・ハート』。感極まった観客が次々に立ち上がり、スタンディングオベーションへ。ここにしかない特別な絆を感じさせる、唯一無二の瞬間だった。
休憩を挟み、いよいよ第2幕へ。本場ブロードウェイのキャスト4人がオーケストラの『ひとりぼっちの晩餐会』に乗せて登場すると、まるで目の前のステージがニューヨークの劇場に変わったかのような錯覚を覚える。
煌びやかな照明、圧巻の歌唱、そしてプロフェッショナルのオーラが一気に会場を支配した。
『ライオン・キング』のナンバー『シャドウランド』でキシー・シモンズは、先ほどまでの親しみやすい表情から一転、静かに歩を進めたその姿に、“ナラ”の魂が乗り移ったかのようだった。遠くを見つめる眼差し、体の動き一つひとつが役を超えて物語を語る。歌唱後、彼女は「自分が歴代最長のナラになるとは思っていなかった」と語り、その言葉にも重みがあった。
続く『ターザン』からは、初代ブロードウェイキャストのジョシュ・ストリックランドが。自身も養子である背景を重ね、「この作品は“あなたは大切だ”と伝えてくれる」と語ってからの『ユール・ビー・イン・マイ・ハート』。その声には揺るぎない真実が宿り、客席には静かに涙をぬぐう姿も見られた。
カーラ・リンゼイは、『リトル・マーメイド』の『パート・オブ・ユア・ワールド』でその全身を使ってアリエルの内面を描き出す。彼女が「憧れ」を歌うたび、観客の心もまた作品の世界へと誘われるようだった。
その余韻が残る中、会場が一気にざわめいた。『ニュージーズ』の『Something to Believe In』のイントロが流れ始めると、歌い出したカーラに呼応するように、日本人ゲストの京本大我が客席から突如登場。サプライズ演出に湧く場内を前に、彼は英語詞で堂々と歌い上げ、カーラとともに美しく調和するデュエットを披露した。ラストは2人が見つめ合いながらハグを交わし、ステージと客席をやさしくつなぐ温かな余韻を残した。歌唱後には、「カーラと一緒に歌えて光栄です」と京本が語り、観客からは再び拍手が沸き起こった。
遅くなりました#ディズニーBWヒッツ のオフショットです
— TAIGA KYOMOTO 京本大我 (@TAIGA_KYOMO33) July 7, 2025
そして今日は七夕ですね
またいつかアラン・メンケンと、ブロードウェイキャスト達と歌えますように!! pic.twitter.com/Xa75f0UVDU
その後、マイケル・ジェームズ・スコットがカーラとともに『ホール・ニュー・ワールド』で伸びやかなハーモニーを響かせると、続いて京本が『自慢の息子』を披露。感情のこもった繊細な歌声は、来日キャストに決して引けを取らない表現力で、客席からは自然と声援が上がった。
マイケルは一転して『フレンド・ライク・ミー』でジーニーそのものとなり、ステージを飛び出して客席まで煽る全力パフォーマンスで、東京の会場を完全に“ブロードウェイ”に染め上げた。
キシーは、『雪だるまつくろう』を披露すると、それまでの凛としたナラの姿から一変。あどけない少女の声と仕草に、彼女の表現の振り幅の大きさが際立った。
そして迎えたフィナーレ。映画公開時に世界中を熱狂させ、現在はミュージカル化の決定で再び脚光を浴びる『グレイテスト・ショーマン』より、『Come Alive』がサプライズで披露。5人のキャストがステージに揃い、会場は歓喜の渦に包まれる。まさかこの楽曲が聴けるとは――驚きと感動が交錯する、まさに“夢のような時間”の集大成だった。
最後に、再びアラン・メンケンが登場。深くお辞儀し、観客に向けて何度も手を振るその姿に、惜しみない拍手が送られた。
ディズニーの魔法と、ブロードウェイの魂が融合した夜。スクリーンでも、配信でもない、“いまここ”でしか体験できない奇跡。その余韻は、ステージが静まり返った後もなお、胸の奥に灯り続けていた。
Photo Credit :[©Disney Maiko Miyagawa]
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