TUBE:ヴォーカル前田亘輝、ギター・キーボード春畑道哉、ベース角野秀行、ドラム松本玲二からなる4人組バンド。1985年にデビューし、夏の代名詞で知られている。2025年7月に幕を開けた全国ツアー『T TUBE LIVE AROUND 2025-2026 Keep On Sailin’』は、北は北海道から南は沖縄まで、10ヶ月に及ぶ長き航海を無事に完走した。デビュー40周年の節目を飾るにふさわしい、情熱に満ちた全行程の幕が閉じた今、こちらではそのハイライトの一つとなった2026年1月11日のグランキューブ大阪公演の模様をお届けする。
開演前から会場には自然と「TUBE」コールと手拍子が広がり、期待感が高まっていく。定刻、白幕にシルエットが浮かび上がり、アカペラが静かに響いた。幕が開いた瞬間、TUBEが姿を現すと、場内の空気は一気に熱を帯びる。
幕開けを飾ったのは『同じ空の下で』。左右に身体を揺らしながらリズムに身を委ねる観客に向け、前田は拳を掲げ、想いをぶつけるような力強い歌声を放つ。その一声一声が客席を巻き込み、冒頭から会場は強固な一体感に包まれた。
続く『スマイルフラワー』では、虹色の照明がステージを染め上げる。語りかけるような柔らかな歌唱に、観客の振り付けは見事に揃い、温度の異なる高揚感が会場を満たしていった。

最初のMCで前田は「今日の気候に合う曲はない(笑)」と冗談を交え、夏を象徴するバンドらしい言葉で早くも笑いを誘う。5月30日まで続く今回のツアーは、ちょうど中間地点に差しかかったという。紅白歌合戦やレコード大賞の裏話では、FRUITS ZIPPERとダンスの練習をした影響で、夢の中で彼女たちに怒られたというエピソードを披露し、客席を沸かせた。さらに、今回のセットリストが最新曲からデビュー当時までをカウントダウン形式で辿る構成であることも明かされた。
2011年、東日本大震災の際には、海をテーマにした楽曲を歌い続けてきたことへの葛藤があったという。しかし被災地から寄せられた言葉に励まされた経験が、大きな支えとなったことを語り、その想いから生まれた楽曲として『A Day In The Summer~想い出は笑顔のまま~』を披露。続く『均熱らぶ』まで、真摯で誠実な歌声が深く胸に刻まれた。
『みんなのうみ』では観客との合唱が自然と生まれ、壮大な海原が目前に広がるような歌声と演奏に、場内から大きな拍手が送られる。
『涙を虹に』では、飛び跳ねる観客の熱気で会場が大きく揺れた。間奏で轟いた春畑のギターと角野のベースが、楽曲のエネルギーをさらに増幅させる。続く『Miracle Game』では軽快なステップも披露され、視覚的な楽しさが加わった。

後半はアロハシャツからジャケット姿へと衣装を替えて登場。美しい導入が印象的な『Melodies & Memories』は、ブルーの照明に包まれながら情感豊かに歌い上げられ、その姿に観客は静かに聴き入った。
そして奏でられた『ガラスのメモリーズ』。この楽曲が『世界ふしぎ発見!』のテーマ曲として親しまれてきたことが、前田の口から語られた。続く『夏を待ちきれなくて』を歌い始めると、「これこれ!」とばかりに観客のボルテージが一気に跳ね上がる。言葉の一つひとつが、重みをもって心に響いた。
目を閉じ、透き通る声で届けられた『湘南My Love』。歌声が描き出す江ノ島の風景、波のように揺れる客席、さざなみのように重なる手拍子が、情景を鮮明に浮かび上がらせる。
『あー夏休み』のイントロが流れると、この日最大の手拍子とジャンプが巻き起こり、会場は大きく揺れた。魂に直接響く歌声が、祝祭のピークを告げる。
『Beach Time』のイントロとともに銀テープが舞い、観客の熱量は最高潮に達する。鳴り止まぬ声援の中、メンバーはいったんステージを後にした。
止まない「TUBE」コールに応え、アンコールがスタート。青字で“TUBE”と記された白Tシャツ姿で再登場した前田は、「この曲がなかったら、今頃どこで何をしていたか…」と語り、『シーズン・イン・ザ・サン』を披露する。「もう少し このままで いたいのさ」という歌詞は、前田とファン双方の想いを代弁するかのように響き、最後は「いつまでも “みんなと” いたいのさ」と歌詞を変え、客席を深い感動で包み込んだ。

「40年間、夏だけのバンドについて来てくれて感謝している。40年間、愛してくれてありがとう」。そう語り、4人はステージ先端に横一列で並ぶ。マイクを外し、地声で届けられた「どうもありがとう!」が、すべてを物語っていた。
聴く人に寄り添い、元気を届けたいという想いが、歌唱と歌詞からまっすぐに伝わる一夜だった。情熱あふれる歌声に加え、ダンスでも楽しませる構成が印象的だ。装飾を抑えたシンプルなステージがTUBEの表現力を際立たせ、観客の凄まじい熱量が、このライブの完成度を雄弁に証明していた。
Photo Credit :[N/A]
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