オーラスレポート:Mrs. GREEN APPLEゼンジン未到とイ/ミュータブル 〜間奏編〜
39万人を動員したスタジアムツアーが完結 Mrs. GREEN APPLE、国立競技場で迎えた感動のラスト
大森元貴(Vo/Gt)、若井滉斗(Gt)、藤澤涼架(Key)からなる3人組バンド、Mrs. GREEN APPLEが、2026年4月からスタジアムツアー「ゼンジン未到とイ/ミュータブル ~間奏編~」を開催した。ツアーは4月と7月に国立競技場、5月にヤンマースタジアム長居で実施され、『クスシキ』『ライラック』『ダーリン』をはじめとする楽曲を披露。全公演で計39万人を動員し、バンドとしては史上初となる国立競技場4日間公演を達成したほか、4500発の花火が夜空を彩るなど、圧巻のスケールで観客を魅了した。
7月5日に行われた国立競技場での最終公演は、15のプラットフォームでの生配信に加え、国内360館以上の映画館や韓国、香港、台湾、タイでのライブビューイング、カラオケビューイングも実施。会場を含め、総勢25万人がツアーのフィナーレを見届けた。
本稿では、7月5日に開催された国立競技場公演の模様をレポートする。
カウントダウン映像が「0」を刻むと、ステージ中央から大森元貴、若井滉斗、藤澤涼架の3人がせり上がって登場。客席を埋め尽くしたJAM’Sへ手を振り、笑顔で歓声に応えた。若井のギターが『Magic』のイントロを高らかに奏でると、大森が「ゼンジン!」と叫び、パイロが一斉に噴き上がる。JAM’Sの大合唱に耳を傾けた大森が「愛してるよ!」と叫び、「愛を受け取る準備はできてますか!」とさらに会場のボルテージを高めた。
続く『私は最強』では、大森が冒頭から伸びやかなハイトーンを響かせる。サビでは銀テープが勢いよく舞い上がり、藤澤は終始笑顔で鍵盤を奏でた。序盤から会場の熱気は一気に加速していく。
最初のMCでは、大森が「Mrs. GREEN APPLEです。ゼンジン未到とイ/ミュータブル ~間奏編~へようこそ!ファイナルですよ!」と挨拶。「ライブビューイングも配信もある。ここが世界でホットな場所じゃないといけない」と呼びかけると、客席から大きな歓声が返ってくる。藤澤も「みんなに会いたかった。今日を楽しみにしてくれていたかな?」と語りかけ、ツアー最終日を迎えた喜びを笑顔で伝えた。
『familie』では、「そっち行っていいですか?」と大森が呼びかけ、アリーナ外周の花道へ。スタンド席へも目を配りながら歌い進め、どのエリアにもまんべんなく歌声を届けていく。
そのままエンドステージへ到着すると、『Carrying Happiness』を披露。アップテンポなリズムに合わせて手拍子を促し、「行こうぜー!」の掛け声とともに、アリーナには四方八方からウォーターキャノンの大量の水が降り注ぐ。真夏のスタジアムライブらしい爽快な演出に、客席からは歓声が上がった。
若井、藤澤、大森それぞれのソロパートを経て、空がすっかり夜へと染まるとライブは後半戦へ。赤い照明の中をレーザーと炎が駆け巡るなか、『クスシキ』を披露。妖しさと壮大さを兼ね備えた楽曲の世界観を、ダイナミックなステージ演出で鮮やかに描き出した。
続く『Loneliness』では、水柱と炎が国立競技場の上空へ勢いよく立ち上る。ロックサウンドに乗せ、大森は感情をぶつけるような歌声を響かせ、観客を楽曲の世界へ引き込んだ。
一転して、藤澤の繊細なピアノが静かに鳴り始めると、『僕のこと』へ。大森は一人ひとりに語りかけるように丁寧に歌を紡ぎ、その真っすぐな歌声に目頭を押さえる観客の姿も見られた。
そして若井がおなじみのギターイントロを奏でると、『ライラック』がスタート。落ちサビではJAM’Sによる大合唱がスタジアムいっぱいに広がり、ラスサビでは若井と藤澤も歌声を重ねる。メンバーと観客が一体となって歌い上げる光景が、この日のハイライトの一つとなった。
『lulu.』では、大森の豊かな声量と繊細な表現力が際立つ。会場は鮮やかな緑色の照明に染まり、楽曲の世界観に寄り添う映像演出やカメラワークも相まって、幻想的な空間が広がった。
MCでは、この日の公演が全国360以上の映画館やカラオケ、オンライン配信に加え、韓国や台湾などアジア各地でもライブビューイングが実施されていることを報告。続けて、映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』日本版主題歌『Brand New』のリリースと、制作中のニューアルバムのタイトルが決定していることを発表すると、会場は大きな拍手に包まれた。
『コロンブス』『GOOD DAY』では、若井と藤澤がそれぞれ楽器を手に左右の花道へ。演奏しながらスタジアム外周を一周し、スタンド後方の観客にも笑顔で手を振り、アイコンタクトを交わす。大森が「どこまでも一緒に行こうぜ、永遠にね!!」と呼びかけると、客席からひときわ大きな歓声が上がった。緑色のテープが舞い降りるなか、メンバーとJAM’Sが一体となって楽曲を作り上げていく。
本編ラストを飾ったのは『ダーリン』。藤澤の優しいピアノに導かれ、大森が感情を込めて歌い始める。間奏では若井が夜空を見上げながらギターを奏で、ラスサビに入ると国立競技場の屋上から白い花火が一斉に打ち上がった。夜空へ広がる花火と3人の演奏が重なり合い、本編は大きな拍手の中で幕を閉じた。
アンコールでは、各々にアレンジしたツアーTシャツに着替えた3人が再びステージへ。大森は「本当に幸せ者です」と感謝を伝え、「現在地を大切にしよう」と掲げて始まったフェーズ3を振り返る。「エネルギーをもらったり、届ける先があることが幸せ」と語る一方、「叶えたいことはまだたくさんある。でも独りよがりではなく、日々寄り添ってくれるみんなと一緒に作っていきたい」と、これから先の歩みをJAM’Sとともに築いていきたいという思いを率直な言葉で届けた。
ライブの締めくくりは『ケセラセラ』。イントロが流れると、JAM’Sが一斉に歌い始める。その歌声を聞いた大森は、うれしそうな表情で客席に耳を傾けた。2番Aメロでもシンガロングは途切れることなく続き、大森は胸に手を当てながら涙をこらえるような表情を見せる。ラスサビでは藤澤が目元をぬぐう場面もあり、メンバーそれぞれがこのツアーを噛み締めている様子が伝わってきた。
ラストは色とりどりの花火が東京の夜空を鮮やかに彩り、約3か月にわたるスタジアムツアーは華やかなフィナーレを迎えた。
公演を通して印象的だったのは、3人が終始笑顔を交わし、MCでも何度もJAM’Sへの「愛」と「感謝」を伝えていたことだ。曲間にはメンバーの名前を呼ぶ声が会場中に響き、そのたびに3人は笑顔で応えた。ファンクラブ会員だけで国立競技場を埋め尽くし、さらに国内外25万人が同じ時間を共有したツアー最終公演は、Mrs. GREEN APPLEの圧倒的な人気と実力を改めて証明する一夜となった。
フォトギャラリー





















Photo Credit :[撮影:田中聖太郎写真事務所 Jordan Hughes Andrew Timms Jordan Munns Matty Vogel]