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ゲネプロレポート:大橋和也×寺西拓人主演「AMBERS -アンバース-」

注目の新作ミュージカル、第一幕から感じる圧倒的熱量

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東京・有明に開業した新劇場EX THEATER ARIAKEのこけら落とし公演として上演されている舞台AmberS -アンバース-。クリエイティブプロデューサー・原作・脚本に加藤シゲアキを迎え、演出の河原雅彦、音楽監督の岩崎太整、人物デザイン監修の柘植伊佐夫ら日本屈指のクリエイター陣が結集した。大橋和也が演じる青年イヴルと寺西拓人演じる謎多きアランを中心に、世界の転換期を生きるキャラクターたちの運命を熱演する。新たな劇場の幕開けを飾るにふさわしい圧巻の物語を、4月24日に行われたゲネプロの様子から紐解く。


〈あらすじ〉

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市川右團次

巨大国家地方都市ミトキオシティ。この地ではヴィンガス(市川右團次)率いるロメロタンク社が土地の浄化を担い、市民は豊かな生活を享受していた。酒場を営む青年イヴル(大橋和也)と車椅子の弟ルイ(嶋﨑斗亜)の店には、反政府活動グループのリーダーであるオルッカ(猪狩蒼弥)やメンバーのエンリケ(川﨑皇輝)、ロメロタンク社の令嬢ノア(山﨑玲奈)とAI執事のケン(渡部豪太)が集い、謎多きピアニスト・アラン(寺西拓人)が奏でる音楽が店内に響いていた。

ある時、ルイが車椅子から崩れ落ち、「虎が鳴いた。嵐が起こる。」と予言する。嵐が過ぎ去ると、イヴルは永遠の若さを手に入れられるという伝説の琥珀の秘薬「AmberS」を求めて店を飛び出した。一方、軍最高司令官のヒルダ(真風涼帆)は右腕の兵士ウォルフ(松尾龍)を従え、ヴィンガスのもとを訪れる。噂の「AmberS」を入手し、奪い取るためである。それぞれの野望と思惑が複雑に絡み合う中で、最後に秘薬を手にするのは誰なのか。そして「AmberS」に隠された真実とは。世界の転換期へと向かう物語が動き出す。


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大橋和也

本稿ではネタバレ防止のため、第一幕のみのレポートとなる。

まず舞台の中心に立つイヴルを演じる大橋和也の存在が際立つ。底抜けに明るく平和主義なキャラクターは、大橋自身との親和性が高く、その膨大なエネルギーが作品全体を牽引する。軽快なやり取りから一転、ルイの異変をきっかけに見せる焦燥と決意の表現には説得力があり、感情の振幅を的確に描き出していた。

音楽面とアクション面で強い印象を残すのがアラン役の寺西拓人である。舞台上での弾き語りは視覚的にも美しく、静謐な空気を創出する象徴的なシーンとなっていた。寺西はアランの内面に潜む影を繊細に滲ませると同時に、高い身体能力を活かしたアクションでも観客を惹きつけた。

また、大橋と寺西によるハーモニーは本作の大きな魅力の一つである。二人の声が重なり合うことで楽曲に奥行きが生まれ、物語の情緒をより豊かにしている。

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山﨑玲奈、寺西拓人

さらに、山﨑玲奈演じるノアとアランのデュエットは、緊張感の続く物語の中で一瞬訪れる安らぎを象徴する印象的な場面となっている。山﨑の歌唱力の高さも特筆すべき要素である。伸びやかで芯のある声は楽曲に確かな説得力をもたらし、デュエットにおいても存在感を失わない。繊細な感情表現と安定した技術が両立しており、ノアというキャラクターに気品と奥行きを与えていた。

対照的に、支配構造を体現するキャラクターたちも強烈な印象を残す。市川右團次演じるヴィンガスは、その確かな演技力により社会の中枢に位置する人物としての説得力を築き上げた。一方、真風涼帆演じるヒルダは舞台を掌握するかのような存在感を放ち、歌唱においてもその支配力を余すことなく示している。

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松尾龍

アクション面においても本作は高い水準にある。随所に盛り込まれたスタントシーンは迫力に富み、物語の緊張感を押し上げる要素となっている。ウォルフを演じる松尾龍は軽やかな身のこなしでダイナミックな動きを見せ、視覚的な躍動感を生み出した。

さらに、ルイ役の嶋﨑斗亜は繊細さと激しさを行き来する感情表現で観客の印象に強く残る。物語の鍵を握る存在として、その振り幅の広い演技が作品に深みを与えていた。

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嶋﨑斗亜

演出面では映像を用いた回想シーンが効果的に機能している。過去の出来事を視覚的に補完しつつ、舞台上の演技と融合することで物語理解を助けていた。

加えて、劇場の音響の迫力も見逃せない。座席が揺れていると錯覚するほどの振動が身体に伝わり、音を“体感する”感覚が生まれていた。

そして何より、本作のストーリーは極めて魅力的である。緻密に構築された世界観と先の読めない展開は、舞台の枠を超え、映像作品としても観てみたいと感じさせる完成度に達している。

登場人物それぞれの個性や抱える想いが明確に描かれている点も特筆に値する。視点を変えれば異なる物語が立ち上がる構造となっており、特定のキャラクターに焦点を当てながら何度でも見返したくなる奥行きを備えている。

第一幕では、「AmberS」を巡る思惑が交錯し始めた段階に過ぎない。しかし、その段階で既に各キャラクターの欲望と立場は明確に提示され、物語は加速度的に展開していく予感を強く残す。早くも再演を望む声が上がるのも頷ける完成度であり、その期待は高まるばかりである。筆者自身もまた、その実現を強く望みたい。


フォトギャラリー

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猪狩蒼弥、川﨑皇輝

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Photo Credit :[Ayaka Ozaki] 






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